三岸 節子（みぎし せつこ、1905年（明治38） – 1999年（平成11））は、日本の洋画家。

戦前・戦後、画壇で女性が活躍するのが難しかった時代に、新しい風を吹き込み、女性洋画家として初めての文化功労者となった。

「花」の絵に代表される三岸節子の作品は、鮮やかな色彩と生命力に満ち溢れている。
激動の人生をその情熱で開拓し、重厚なマチエールで表現する。
生涯にわたり画家はたくましい精神力で生命を賛歌し、鮮やかな色彩作品を開花させた。

19歳で新進気鋭の画家・三岸好太郎と結婚。
作風を変えながら、絵画、エッセイ、挿絵などを制作。
アンリ・マチスやボナールなどから影響を受け、戦時中にもかかわらず明るい静物画を描き周囲を驚かせた。
晩年の20年あまりはフランスで過ごし、帰国後は神奈川県大磯のアトリエで制作。
日本人としてのアイデンティティを意識し、より日本の原始的な美しさに魅了される。
1998年、三岸節子記念美術館の開館に合わせて制作された「さいたさいたさくらがさいた」は、節子93歳の集大成である。

略歴
1905年　愛知県中島郡起町字中島村（現在の一宮市）に生まれる
1924年　女子美術学校を首席で卒業し、9月には三岸好太郎と結婚する
1925年　春陽会第3回展にて初出品で初入選する
1930年　夫の好太郎とともに独立美術協会設立に参加
1934年　好太郎死去（享年31）
1936年　佐伯米子、長谷川春子ら6人の女性画家とともに七彩会を結成
1939年　新制作派協会会員となる
1945年　銀座・日動画廊にて戦後初の個展開催
1951年　第一回芸能選奨（現・芸術選奨）文部大臣賞を受賞
1968年　フランスへ渡り南仏カーニュに住む
1986年　勲三等宝冠章を受章
1989年　帰国、神奈川県大磯のアトリエに定住
1990年　朝日賞受賞
1994年　女性洋画家として初めて文化功労者となる
1999年　大磯で94歳で死去