蔡 国強 (さいこっきょう、ツァイグオチャン、蔡国强、1957年～ ）は、中国福建省泉州出身の現代アーティスト。ニューヨークを拠点として国際的に活動しており、キュレーターとしても活躍している。

上海演劇学院舞台美術学科を卒業。
1986年、妻の紅虹とともに日本へ移住する。
筑波大学芸術学群に研究生として在籍し、火薬を用いた芸術表現を研究する。
日本では火薬の入手が難しく、玩具や花火から少量の火薬を取り出して試作する日々を送っていた。

蔡の初期活動を支援した美術評論家鷹見明彦と出会うのは1987年である。鷹見の理解や花火師の協力を得たことで、日本での火薬アートの研究を発展させていった。

日本で現代美術の研究を進める中で、キャンバスの表面で火薬を爆発させる火薬ドローイングや野外で火薬を爆発させるアースワーク的な大規模プロジェクトを開始し、日本やヨーロッパで発表をはじめる。

東京、いわき、取手に滞在しながら展覧会やプロジェクトを推進。1995年渡米するまでのわずか10年ほどで日本現代美術界はもちろん、海外にもその存在を知らしめた。

略歴
1957年　中国福建省泉州市で生まれる
1985年　上海演劇大学を卒業する
1986年　日本へ移住
1987年　東京で初めての個展を開催
1995年　米国ニューヨークへ移住
1999年　第48回ヴェネツィア・ビエンナーレで金獅子賞受賞
2005年　第51回ヴェネツィア・ビエンナーレ中国館のキュレーションを手掛ける
2008年　北京オリンピック開会式で花火「歴史の足跡」を打ち上げる
2012年　第24回高松宮殿下記念世界文化賞を受賞
2013年　福島県いわき市の「いわき回廊美術館」の設計・デザインを手掛ける
2015年　横浜美術館で「帰去来」開催される
2020年　北京の故宮博物館で大規模な個展「Odyssey and Homecoming」を開く
2021年　ジョン・D・ロックフェラー三世賞を受賞