元永定正（1922年（大正11年）- 2011年（平成23年））は、日本の画家、絵本作家。具体美術に参加し、前衛美術作家として国際的にも高い評価をうける。

芦屋市展に出品されていた抽象画に刺激を受け、抽象画へ転向。同第8回展に出品した抽象画《寶がある》で吉原治良に絶賛される。吉原の誘いを受け「具体美術協会」に入会し、自然や偶然によってできる形を利用した作品を制作した。

1966年、ジャパン・ソサエティの招聘により渡米。
1967年までニューヨークで表現方法を模索し、エアブラシを使った技法へと転換する。輪郭を持った形と、かたち自体が発光するかのようなグラデーションをエアブラシで可能にした。

ムラのないフラットな色面は、これまでマチエールを施した立体感ある画面とは制反対の表現方法であったが、ユーモラスかつ深い奥行きを感じさせ、作品の存在感を一層高めた。

赤、青、緑、オレンジなどカラフルな色玉は、元永定正の作品に頻繁に登場するモチーフ。はじめて登場したのは最初期の抽象画《寶がある》であった。
色玉は神戸の住まいから見える六甲山の夜景に着想を得ている。独特な三角・円・線のかたち生み出すために、大量のメモ用紙などにアイデアを描き留めていたことは有名なエピソードである。

紫綬褒章、勲四等旭日小綬章を授与されている。妻は造形作家の中辻悦子である。